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予算管理制度のポイントをまとめると下記のとおりとなります。
- いきなり、予実差異が少ない予算を策定するのは難しい
- 実際に運用するには、継続的な改善が重要
- 予実差異の分析を早期化には、月次決算の早期化が重要なカギ
- ノルマを予算とすることは避ける
- 予算を2重(理想プランと現実プラン)で策定することは避ける
いきなり、予実差異が少ない予算を策定するのは難しい 実際に運用するには、継続的な改善が重要
ベンチャー企業がIPOを目指すにあたって、一つの大きな課題となるのは、予算の精度になります。
スタートアップの時期に資金調達のために、事業計画を作成することになりますが、その事業計画をもとに作成された予算と実際の数字を比べてみると以外と差異が大きいのが一般的です。
これまで、営業での売上目標(ノルマ)が中心となって、予算が策定されているケースも多く、また得経営者も、現実的に達成可能な予算を作成することに、抵抗感(士気が下がるのではないかとの懸念)を持つ方も少なくCFOは非常に頭を悩ますことになります。
経営者が、あくまで売上目標としての予算としたいと考える場合に、CFOは、予算を理想プラン(経営者の主張する予算)と現実的に達成可能なプランを作成して、対外的(上場審査)には、現実的に達成可能なプランで予実分析を行っているケースもあるようです。
ただ、2重で予算を作成することは、予算の達成意識や責任感など、管理の尺度があいまいになる傾向があり、シンプルな管理体制を構築するうえでも避けるべきだと思われます。
IPOを目指すにあたっては、予実の差異分析の前提となる、正確な月次決算がいつ締まるか(決算の早期化)が重要なポイントになります。
上場後の四半期決算では、四半期決算日後45日以内に四半期報告書を財務局に提出しなくてはならず、
逆算すると、翌月10日付近には、個別ベースでの決算が締まっていて、予実分析を行って、15日付近の取締役会に報告するのが一般的になります。
制度として予算管理体制を運営していくためには、月次の決算でいかに正確に締めることができるのか、言い換えるならば、四半期決算の負担をいかに、月次決算に分散させるかが重要となります。
予算を策定するには、過去からの月次決算の趨勢分析や変動費、固定費の分解が重要になるため、月次決算が正確でない状況では、正確な予算をたてることは難しいことは言うまでもありません。