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平成29年度税制改正で、試験研究費の範囲の見直しが行われ、サービス開発に係る試験研究費が新たに税額控除の対象となりました。
従来の研究開発税制の支援対象については、製造業による「モノ作り」の研究開発が中心とされてきましたが、ビッグデータ等を活用した第4次産業革命型の「サービス」の開発(サービス開発)を新たに追加することで我が国の企業の国際競争力強化を図ることにあります。
試験研究費に係る平成29年度税制改正については、本日解説しますサービス開発以外にも、総額型の控除率を試験研究費の増減に応じたものとすることやオープンイノベーション型の研究開発に対する措置について、対象費用の追加・変更の柔軟化や手続きの簡素化など、要件の緩和を図ることなどの改正が行われています。
「試験研究費の総額に係る税額控除制度」の対象となる試験研究費とは、
製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する一定の費用
又は対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究として
次に掲げるものの全てが行われる場合のその試験研究のために要する一定の費用をいいます。
(ただし、試験研究に充てるために他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額が試験研究費の額となります。)
上記の太字部分が今回新たに改正で追加されてサービス開発に係る規定となっています。
①「対価を得て提供する」とは、具体的には、開発したサービスを外部に提供することにより法人の収益に結びつかなくてはなりません。
従って、社内費用削減を目的とした社内システムの開発は範囲から除外される点に注意が必要になります。
②「新たな役務」の開発とは、法人にとって従前に提供していない役務に該当るものであればよいと解されています。
法人が提供している既存のサービスの改良や効率化等は対象とはなりませんが、
法人が提供する役務が従前に提供している役務と比較して
・新たな内容が付加されている場合又は
・法人が提供する役務の提供方法が従前に比較して新たなものである場合には、「新たな役務」に該当するものとされています(措法通42の4(1)-1~2)