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IPOを目指すベンチャーにとって、ストック・オプションの付与は、功労者に報いる重要なツールとなっています。
ストックオプションの付与時に、重要となるのが行使価格を決定するための「株価算定書」になります。
ただいまだに、株価算定についても、安い・早いということが先行してしまって知識・経験が少ない士業の方にお願いしてしまうケースがあるようです。
非上場株式の株価算定は、一般的に上場株式の株価算定よりも難易度が高く、また税務で使われる株価算定とも異なる点も多く、株価算定に関する深い知識・実務経験そして説明できる力も問われます。
そもそも非上場株式の株価算定がリスクが高いことを知っている専門家の方は、安易に株価算定を受嘱しません。
IPOを目指す場合には、今後のIPO時の売出価格や資本政策に影響を与えるため、株価算定をされる方の選任は慎重さが求められます。
監査現場においても、ストック・オプションの会計処理の検討に際して、株価算定人が提出された「株価算定書」を入念に検討することになります。
株価算定人の実務経験・評判、選択された株価算定手法、過去の株価の推移、業績・事業計画との整合性…など多岐にわたります。
また、大手の監査法人であれば、「株価算定書」について株価算定を専門とするチームへの照会・監査チームへの参加を打診するケースが増加しています。
一般的に、株主総会前の非常にタイトなスケジュールの中で「株価算定書」が入手されます。
「株価算定書」に不備があった場合には、株主総会のスケジュールにも影響するため慎重な対応が必要となります。