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【製薬】研究開発プロセス~留意点~


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製薬企業の売上に占める研究開発費の割合は、他業種に比べても高い傾向にあります。
昨今では、研究開発を効率的に進めるために受託解析を行う会社の利用や受託研究・開発を行うバイオベンチャーを利用する動きも活発になっています。
また、アーリー段階のシードの研究のために大学、研究開発機構などの共同研究・委託研究を行う動きも盛んになってきています。

研究開発部門の特徴は、一件あたりの取引金額が大きく、検収がどのタイミングで行われたかは、業績にも影響を与えます。
特に、研究開発部門は、社内でも聖域化されやすい傾向にあり、外部から進捗や費目の内訳が見えづらい傾向にあります。
外部から見えづらく、取引金額が大きいからこそ、四半期決算で研究開発の進捗状況をわかる仕組み(内部統制)を構築することが重要となっています。
実際には、予実管理が研究開発プロセスの内部統制の基礎となりますが、他にも複数の論点が絡むことも多いのが特徴になります。

(共同研究・委託研究)

外部の大学・企業などと共同研究や委託研究を行っている場合には、進捗状況を把握するこことが特に重要となります。
前払をしているケースが多く存在しますが、研究開発を進めることの合理性を失った時に資産性を失うことになり、期間按分ではなく、一括費用処理することが求められます。
一件あたりの金額が高額になるケースも多く、検収状況や進捗状況の把握は業績にも影響を与えます。
大学の研究室などと共同研究をしている場合には、成果物がはっきりしない場合も多く、継続することの意義が問題となるケースも存在します。
また、研究開発に関しては業者を介したキックバックや研究開発費用の不正利用も比較的多く発生する点も留意が必要です。

(固定資産管理)

「新しい研究用の機械が欲しいのならば、倉庫に行ってみなさい。おそらく欲しい機械は、倉庫の中にあるはず。」
製薬企業では、意外とよく聞かれる話になります。
研究用機械は、日進月歩である反面、うまく使いこなせずに保管用倉庫行きとなる機械も多く存在します(会計上の除却・減損の論点はあります)。

特定の研究開発目的にのみに使用され、他の目的に使用できない機械装置などの取得原価について取得時に研究開発費として処理することが必要となります。
高額な機械も多く、購入金額・耐用年数の妥当性、現物管理のみならず、取得時に費用処理をするべきか否かの判断も必要となります。

また昨今では、税務上でも研究開発を促進するために即時償却、特別償却や税額控除など各種の制度が整備されており取得時は会計のみならず税務上の判断も重要となります。


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代表 小田陽一
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