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製薬企業における内部統制上で重要なプロセスは、①製造・在庫プロセス、②販売プロセス、③研究開発プロセスになります。
そのうちの①製造・在庫プロセスに重要な影響を与える「GMP基準」の概要についてご説明いたします。
「GMP基準」とは、医薬品の製造をする者が守るべき内容を定めたもので「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(平成十六年厚生労働省令第百七十九号)のことをいいます。
医薬品については、人体に直接に影響を及ぼすことから、製造段階でも高い品質の維持・管理が求められます。
諸外国に比べても日本における「GMP基準」は高く、日本で「GMP基準」で製造を行える製造所は少ないのが現状です。
「GMP基準」での製造所には、特に衛生的であることが求めらるため、維持・管理するためには多額のコストがかかるため、製造を外部委託しているケースも最近では増えてきました(市販薬のパッケージの裏をみると、販売元と製造元が違うケースなど)。
製造を外部委託している場合には、内部統制上、「委託業務に係る内部統制の有効性の評価」に関係してくるので留意が必要です。
「GMP基準」は、「薬事法」とあわせて製薬企業の製造段階における重要な規定であり、内部統制の製造・在庫プロセスにも重要な影響を与えます。
「GMP基準」は、人による間違いを最小限にすること、医薬品が汚染・品質が低下するのを防ぐこと及び高い品質を保つ仕組みをつくることを目的として規定されています
「GMP基準」は、大きく①ハード面の規定と②ソフト面の規定に分かれます。
①ハード面の規定は、いわゆる設備面での人・空気による異物混入や昆虫などの混入を防ぐための設備の整備・維持を求めています。
一方で②ソフト面は、ルール面での規定になり、ルールを決めて文書化すること、ルールどおりに実施し、記録を作成すること、定期的に見直しを行い、改善をはかることが中心となります。
特にソフト面では、記録の保管が重要になり、検査や内部統制でもチェックの項目となります。
製造現場では、ルールを作成され下記のような文書が作成されます。
・製造管理基準書
・衛生管理基準書
・品質管理基準書
・製品標準書
・製造所からの出荷の管理手順書
・変更管理手順書
・逸脱管理手順書
・品質等に関する情報及び品質不良等の処理手順書
・回収処理手順書
・自己点検手順書
・教育訓練手順書
・文書及び記録の管理手順書
・バリデーション手順書
「GMP基準」では、文書化が大きなポイントになり内部統制に重要な影響を与えます。
「GMP基準」では文書化のことを「バリデーション」と定義しています。
「バリデーション」とは、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることをいいます(2条5項)。