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【国際資格を目指すならアビタス】私もここで教鞭をとっています。
製薬業界における内部監査のうち、近年重要と思われるテーマについて解説いたします。
今回のテーマは、知的財産の管理になります。
製薬企業においては、知財に競争力の源泉があり、その管理はビジネスを行う上で重要となります。
近年、パイプラインのライセンイン/ライセンスアウトが盛んにおこなわれるようになっており、また対価の支払方法に関してもアップフロントフィー(契約一時金)、マイルストン・ペイメント、リベニュー・シェアーなど種類が増加してきています。
日本企業の場合、自社が使用している(ライセンスイン)ライセンスの管理については比較的、しっかり管理・報告がされている傾向にあります。
ただ、自社がライセンスアウトしているものについては、管理があまくなりがちな傾向にあります。
ライセンスアウトをしている場合には、通常、契約書に監査条項が付されているのですが、あまり活用されていません。
ライセンスアウト先からの報告も、自主申告に基づく報告書とメールなど簡易である場合が多く、実際にその報告書などが正確に作成されているか確認をあまりとられることがありません。
原因としては、本業の製薬の売上が大きく、ロイヤリティ収入の割合が比較的少ないこと、ライセンスアウト先との良好な関係を維持することが何より大事であると考えていること、監査人員の不足などが考えられます。
ただ、現在においては、ライセンスイン、ライセンスアウトも盛んに行われるようになっており、ライセンスアウト先の開発・販売活動が、日本における製品の開発・販売戦略にも影響を与えていることを考えると、ライセンスアウト先にも定期的に監査を実施する必要が出ているように思えます。