スポンサーリンク
【国際資格を目指すならアビタス】私もここで教鞭をとっています。
工場に往査する時は実際に現場を見よう!
内部監査、期中監査などで地方の工場にお伺いする際こともあるかと思いますが、会議室にこもりっきりになっていないでしょうか。
実際に工場を見学すると、色々な理解がいっきに深まることも多く、30分でも良いので現場を見せていただくことをお勧めします。
そもそも、原価計算や原材料・仕掛品の評価は、資料を検討やヒアリングだけに頼るのだけでなく、生産ラインや原材料や仕掛品の保管状況を実際に見た方が圧倒的に早く理解が深まります。
日本は、戦後ながらく生産を得意としてきました。長く製造業をやってきた会社であれば、整理整頓が行き届いているケースが多く、生産現場での創意工夫についても実際に工場の視察することで理解が深まります。
一方で、問題を抱えている製造現場では、従業員のモラルの低下が服装の乱れや工場内の雰囲気に現れ、工具・備品・作業くずの散乱、ずさんな物品管理、清掃が行き届かないなど兆候が見られます。問題を早期に発見する意味でも工場現場の視察は実際にした方が良いと思います。
現場視察において確認するべきこと
環境:有害物質、土壌汚染物質使用状況、過去の使用した履歴→資産除去債務
安全:服装・装備・標語・点呼・清掃状況→工場で余裕がなくなった場合におろそかになりがち
従業員:人数、配置、服装、会話(あいさつ)の頻度→原価計算の人件費に影響します。社内教育が行き届いた工場であると、あいさつなどもしっかりしてもらえるケースが多いですが、操業度がおちてくると現場でも停滞感が漂います。
工具・器具・備品の整理状況:生産性の高い工場であると整理整頓にも気を配っており、できる限り探す手間を省こうとする努力がうかがえます。一方で、工具などが散乱している状況では、原材料などの現品管理もずさんになる傾向があり注意が必要です。
在庫管理:非常に重要なプロセスになります。まずは、払い出し単価の設定が現場でのワークフローに合致しているか。実地棚卸の頻度や方法が確認事項になります。生産するものにもよりますが、仕入てから実際の生産までにどのくらいかかるかを把握することは在庫の評価を行う上でも重要になります。仕損品、廃棄品についても概要を把握することが望まれます。
機械のメンテナンス:長く製造業を行っておきている会社であれば、古い機械を大切にメンテナンスしながら使っていることがわかります。未稼働の機械がないか把握することは減損・除却の適切性を把握するうえでも重要です。
生産ライン:会社の創意工夫が動線としてあらわれます。生産効率をあげるためには、いかにものの動きの無駄をとるかが重要になります。原価計算の計算方法、配賦率の適切性についてのヒントを与えてくれます。